ご挨拶
理事長挨拶
皆様、平素より右田病院をご利用いただき、誠にありがとうございます。
この度、右田病院は国が新たに設けた「地域包括医療病棟」の施設基準に、全床体制で移行いたしました。この新たな機能は、地域包括ケアシステムに求められる高齢者救急の受け入れ体制に大きく貢献するものです。具体的には、骨折や肺炎といった高齢者に多く見られる疾患の治療をはじめ、リハビリテーション、栄養支援、医薬品の管理、そして公的保険制度の利用案内を通じて、患者様ができるだけ早く住み慣れた環境へ戻れるよう支援いたします。全国に先駆けた全床体制での取り組みは、まだ改善の余地があるものの、大きな一歩と考えております。
2025年問題として議論されてきた地域医療構想は、超高齢社会への対応として、既に増加を始めている85歳以上の人口が2040年以降も増え続けることを見据えて、方針が変更されています。また、感染症対策を含む各地域の実情に即した内容への見直しも進められています。入院医療だけでなく、外来や在宅医療、介護との連携など、医療提供体制全体の課題解決には、診療に関する情報があらゆる場面で迅速かつ的確に共有されることが重要です。これを実現するためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が不可欠です。
DXの導入により、従来の医療提供体制における課題—例えば、患者様の移動や待ち時間の長さ、診療や検査の重複など—を大幅に改善することが期待されています。DXは、患者様一人ひとりに合わせた、より迅速で効率的な医療を提供するための手段です。当院は、これらの取り組みを通じて、地域の皆様にとってより良い医療環境を整えてまいります。
その第一歩として、マイナンバーカードの社会実装が求められています。導入に対する様々なご意見があることは承知しておりますが、当院では、地域医療と介護サービスの利便性を高めるため、マイナンバーカードの導入を積極的に進めてまいります。皆様のご理解とご協力を賜れれば幸いです。
右田病院は、「困っている人を助け、寄り添う」「地域のホームホスピタル」という理念のもと、「人に向き合い、地域に向き合う」姿勢を貫いてきました。100年の歴史を振り返りながら、これからも「何かあったら右田さん」と信頼される存在であり続けるために、地域活動に一層貢献してまいります。
2024年8月
医療法人財団興和会
理事長 右田 敦之(みぎた あつし)