100年の歩み100年の歩み |46新たな時代の幕開けに際して~地域のホームホスピタルとして~意識した世代交代 2006(平成18)年4月、76歳になった右田徹は院長職を次男の隆之に譲り、理事長専任になりました。右田隆之は第4代院長に就任となります。法人運営は、長男の右田敦之が常務理事として主管することにしました。 新経営陣は、「右田さん」と呼んでくれる地元市民を改めて大切にし、「救急は医療の原点」を継承することを方針とします。また、今まで以上に幅広く有識者の声を聞くために、2007(平成19)年には興和会評議員会を設置します。 経営理念と経営指針づくり 病院も組織運営が求められ、右田病院でも経営理念を掲げることになりました。前理事長(当時)の右田佐は、「思いやりのある医療の実践」を提唱。理事長(当時)の右田徹は右田病院で引き受ける二次救急のことを「小回りの利くアクセスのいい医療」「医の原点」と考えていました。病院の規模を考えると、右田病院の地域医療の役割は、まさに「地域のかかりつけ機能」=「地域のかかりつけ病院」ということだったのです。そこでホームホスピタルという造語をあてた「地域のホームホスピタル」を、経営理念とすることにしました。 その理念が形骸化しないよう、実現のための行動指針も3つ立てました。 ①患者さん本位の地域医療の情報発信 ②家庭的でふれあいを大切にしたサービスの提供 ③アクセスのよい小回りのきく医療の実践 病院を取り巻く環境が厳しさを増し、経営的にも苦しい時期でしたが、右田病院の方針を、明文化して内外に周知させ、地域の中での位置を再確認することにつながりました。右田健診クリニック創設 このころ、当時の八王子市医師会副会長(のちに会長)の孫田誠三先生からの要請もあり、マンモグラフィー検診に手を挙げます。ただ、旧病院内には検査スペースを設ける余裕がなく、新たに検診用のクリニックを開設する必要がありました。2008(平成20)年5月、右田病院の最寄りに新たに右田健診クリニック(院長右田徹)を開設することになります。本町は立地的に八王子の旧市街地で八王子駅からのアクセスもよく、代々の住民と商業者、新築マンション住まいの新たな住民が共に生活するエリアとなっていました。右田健診クリニックは、当初受診者数が伸びなかったものの、孫田先生のご指導の下、乳がん検診だけでなく、子宮がん検診、肺がん検診、大腸がん検診、特定健診まで併せて、ワンストップで受診できる女性専用の健診クリニックの体制を作り上げたことが功を奏しました。開設3年目で受
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