今医療機関に求められていること 右田病院は1919年(大正8年)に創設されて以来、戦前から救急医療に携わり、戦後の荒廃に■しながら再興と増改築を重ねて今日に至っています。近年では、八王子市暁町へ新築移転して新たな医療の拠点をつくり、2019年(令和元年)に100周年を迎えています。大正から令和に至る、まさに四年号に渡り八王子の地域医療に従事してきました。 右田病院が掲げている理念「地域のホームホスピタル」は、困っている人を助ける「かかりつけ病院」をイメージした造語になります。理念の実現を地域密着型病院と捉え、救急の受入れ、治療からリハビリテーションまでの連続性、居宅への早期復帰を主眼において、全床を「地域包括ケア病床」にし、今後の超高齢社会下における地域医療への貢献を目指しています。居宅での生活復帰までを首尾一貫した方が、患者さまにとって負担が少なく、落ち着いて治療に専念していただけるものと考えます。状況によっては、高度専門機能を有する医療機関、あるいは介護系施設へ移ることも必要になるでしょう。その場合は、各機関、施設と綿密な連携をとり、地域社会活動の一翼を担う存在でありたいと思います。 理念を実現するため、「私たちは、患者さまと向き合院長 右田 隆之(たかし)1989年東北大学医学部を卒業。初期研修を経て1992年同大学医学部第一外科講座に入局し、その後、同大学にて医学博士を取得。大学病院や関連病院に勤務。専門は消化器外科。関連病院では一般外来で患者を診る機会も多く、専門に限らず総合的な診療を数多く経験してきた。1999年より埼玉県立がんセンターに勤務し、2006年右田病院の4代目院長に就任。う医療サービス提供者として、安心で信頼のある医療を志す」ことを使命として、先代から受け継がれてきた志や思いを引用した3つの行動指針を示します。 「患者目線の地域医療情報の発信」は、医療を提供する私たちと患者さまとの間で理解に差が生じないように努めてまいります。 「家庭的で患者に寄り添うサービスの提供」は、自身の家族や親族への思いと同様、真■に向き合うよう努めてまいります。 「安心と信頼を大切にした良質な医療の実践」については、安全の実績を積み重ねることにより安心感を、そして患者さまとのコミュニケーションを介して信用を積み重ねていくことで信頼をお届けするよう努めてまいります。 近年においては、SARS、新型インフルエンザ、そして新型コロナウイルスといった新興感染症の受入対応も地域密着型病院の役割と期待されています。国が示す地域医療構想においても、高齢者医療への対応に併せて感染症の受入れも示されています。私たちは、地域に根差した医療機関の責任を果たし、「何かあったらみぎたさん」と言われる病院であるために、これからも体制強化に努めてまいります。3院長挨拶
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